「USJを劇的に変えた たった一つの考え方」まとめレポート①
画像/amazon
30%→97%
この数字は、USJにおける新規事業の成功率の過去と現在の比較である。
つまり現在、USJが仕掛ける新規事業はほぼ成功するといっていい。そして、この驚愕の成功確率は、「たった一つの考え方」によるものだという。
その考え方についてマーケティング的視点からまとめられたのが、本書「USJを劇的に買えたたった一つの考え方」(株)ユー・エス・ジェイCMO 森岡毅著である。
従来のマーケティング本よりも、より実践的かつUSJのヒットの法則や成功事例に基づいているため、説得力が強い。マーケターのみならず、会社経営、広告・販促活動にたずさわる多くのビジネスパーソンにとって一読すべき書籍であると感じた。
本書のなかから、特に印象に残ったUSJV字回復のポイントについて要約レポートをしてみる。
会社からマーケティングに期待される第1の仕事とは?
トップライン(売上金額)を大きく伸ばすこと
マーケティングは会社の「頭脳」でもある、と同時に多くの部署を動かす
会社の「心臓」の役割も担う。
マーケターが最初にすべき最重要な役割
「どう戦うか?」の前に
「どこで戦うか?」を正しく見極める。
=衝くべき焦点(ビジネス・ドライバー)
「どこで戦うか?」が間違っているとどんなに誠実に。どんなに努力してもずっと報われない。
USJをV字回復させたビジネス・ドライバーとは?
①ターゲットの客層
②テレビCMの質
③チケット価格の値上げ
上記3つに徹底的に投資と改善を加え続けた結果、低迷していた5年前と比較し
集客を600万人以上積み上げ、売上げは倍以上という結果を残す。
数あるUSJ改革に共通する、たった一つのこと
消費者視点(Consumer Driven)
消費者のほうを向いて、消費者のために働くこと。
会社のどんな事情も、どんな善意も、消費者価値につながらなければ(消費者に伝わらなければ)一切意味がない。
USJが行った方向転換
「ゲストが本当に喜ぶもの」と「ゲストが喜ぶだろうと作る側が思うもの」は必ずしも一致しない。
【過去】
クリエイティブドリブン
(クリエイティブ主導・確率低い)
↓
【現在】
マーケティングドリブン
(マーケティング主導・確率高い)
USJは、作ったものを売る会社から、売れるものを作る会社へ、変わった。
エンターテイメントの傑作は、クリエイティブ部門の創造性抜きにしては生まれないものの、彼らの努力すべき焦点を明確にして、才能と努力がビジネスの結果に結びつくように導くのが消費者理解の専門家であるマーケターの仕事。